コラム

2015/12/12

軽減税率ってなんだ?(群馬・SS)

軽減税率ってなんだ?


▼消費税が5%から8%に上がって2年近くが経過した。生活必需品を一つ買うにも、上げ幅分がじわりと重くのし掛かる。重くなったのは上げ幅だけではない。中途半端な税率のためか小銭も増えた。財布もその分重くなってしまったように感じる


▼2017年4月には8%から10%に再増税するという。国の財政事情を鑑みれば、増税やむなしという意見も理解できる。しかし消費する側としては辛い。そんな感情を和らげようと、増税に向けて「軽減税率」なる言葉も出てきた。毎日のように新聞紙上に躍る


▼「軽減税率」という言葉をインターネットで調べてみたら〈標準税率より低く抑えられた税率のこと〉とあった。消費税の性質上、所得の低い人ほど負担が重くなる。これを抑えようとする考え方だ。ただ、導入には対象品目の設定や小売業者の負担増大など、乗り越えるべき課題は多い。与党内でも大筋合意に至っている


▼そもそも「軽減税率」という言葉は分かりにくい。真ん中の二文字を見れば税率が下がるイメージを抱くが、実際はそうではない。与党内で協議されている軽減税率は諸外国のように減税する仕組みではなく、あくまで8%に据え置くだけだ。「据え置き税率」とでもしてくれれば仕方ないとも感じるが、小手先だけの目くらましに映ってしまう


▼イギリスの消費税は20%。一見すればものすごく高い水準に思えてしまうが、食料品や日用の生活必需品などは課税対象外、つまり0%だという。わが国も軽減税率を導入するつもりなら、このくらい本気で取り組むべきだ。政府・与党にその本気度を問いかけたい。(群馬・SS)


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