コラム

2015/12/18

冬の到来を前に考える(山梨・HK)

冬の到来を前に考える


▼その昔、旅先の飲食店で「春夏冬中」と書かれた札が入口に掲げられているのを目にした。立ち止まり、しばし首をかしげ、なるほどと手のひらを打った。秋がないから「あきない中」と合点した


▼ここ2、3年は夏の終わりと思いきや生ぬるい残暑が続き、いきなり冬将軍の到来が告げられ、まさしく秋という季節を感じることなく過ぎていった感があった。一転、今年は11月の平均気温が全国20地点で高い方の記録を更新し、7地点でタイとなる値を記録するなど、暖かな冬の訪れとなった。しかし、いやでも寒さは日ごとに募り、地方によっては降雪予報に気をもむ毎日がやってくる


▼はずであるがエルニーニョ現象なのか「今年は暖冬」との予想が聞こえてくる。北日本はそうでもないが、南へ行くほど平年を上回る確率が高いようだ。とかく言われる「雪はスキー場だけでいい」とする人間の勝手な言い分は、地球の営みのなかでは通用しない


▼多かれ少なかれ、われわれの生活範囲にも雪は降る。幹線道路は元より生活道路の除雪に早朝から作業にあたる建設業者の方々には頭が下がる思いだが、一方で、市民にこの現状が知られていない問題が存在する。また、買い替えは言うに及ばず修繕費もばかにならないため、保有する重機の耐用年数をにらみながらのだましだましの作業に頭を抱える業者の声を意見交換会で聞いたことがある


▼どこかに無理があれば、日を追うごとに軋みが生じ、やがて亀裂となり破綻を来す。構造物であれ、機械であれ、制度であれ同じこと。最悪の幕引きにならぬよう、小さな声でも上げ続けていかなくてはならない。(山梨・HK)


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