コラム

2016/01/06

申年を「百匹目の猿」年に(東京・HM)

申年を「百匹目の猿」年に


▼「百匹目の猿現象」という言葉をご存知だろうか。宮崎県の幸島という島で猿にサツマイモの餌付けをしていたところ、1匹がイモを洗って食べるようになった。それが少しずつ広まり、ある臨界点(100匹)を超えたとたん、一気に群れ全体に拡大し、それが海を隔てた大分県高崎山の猿でも見られるようになった、という


▼聞いたことがある、という人が多いと思うが、実はこの話都市伝説的なもので実際にそんな現象は観測されていないらしい。ちょっとがっかりだ。しかし、この話は創作でも、ある程度の数に広まったことが一気に全体に波及するということはありそうに思う


▼昨年11月30日に始まったCOP21でスピーチした米国オバマ大統領は「私たちは、温暖化の影響を実感する最初の世代であり、対策をとれる最後の世代である」と州知事の1人の言葉を紹介した。温暖化がいかに加速度的に進行していて、いま対策をとらなければ手遅れになる課題であるかを端的に表している


▼「温暖化」を「担い手不足」に置き換えると建設業が直面している課題にも、そのまま当てはまる。担い手不足は今後5年間で一気に深刻化するという見方もある。のんびりしていられない


▼そんな危機感からか、担い手確保・育成への意識も日々真剣味を増している。経営者の方々と話しをすると、少し前までは消極的な意見もちらほら聞こえたが、最近は「そんな悠長なことは言っていられない」という言葉が増えた。2016年は申(サル)年。建設業の取り組みが「百匹目の猿」のように一気に実を結び始める年になることを期待したい。(東京・HM)


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