コラム

2016/02/02

将来描ける環境づくり(茨城・YO)

将来描ける環境づくり


▼「すみません、あいにく満席なんですよ」幾度となく同じセリフが帰ってくる。何度も訪れた富山県だが、以前と比べ確かに人通りも多く、どの店も繁盛しているように感じる。まさに北陸新幹線開業の恩恵なのだろう。こんなにも賑わうのかと、インフラの整備効果を肌で感じた


▼とあるテレビ番組で紹介された老舗料理店を訪れた。お店に到着したのは、開店時刻を少し過ぎたくらいか。すでに多くの人が順番待ち。しばらくすると「テーブルは空いているのになぜ?」「どうなっているの?」「もう二度と来ない」などの声が聞こえてきた。店内をのぞくと、確かにテーブルには空席がある。人手が足らず、ホールはオーダーが取れない、キッチンでは注文をさばけない、といったところだろう


▼繁盛する店舗からは、賑わいは一過性に過ぎない、いつまで賑わうのか分からない、将来の展望ができない、人員を増やし対応しても大丈夫だろうか、こんな声が聞こえてきそうだ


▼建設業関連団体は、国土交通省をはじめとする発注機関との意見交換会において「地域の建設業が担う責任を果たすためには経営の安定化が重要」「将来の担い手確保のためには安定的な事業量が必要」などと訴える。その上で大型補正予算の早期編成や本年度当初を上回る新年度予算の確保などを求める


▼北陸新幹線整備が効果を発揮し、多くの人を呼び込めた。しかしその場をしのぐことだけにとどまり、満足なサービスを提供できなければ、呼び込めた人も次第に去っていくだろう。将来を描くことのできる環境づくり、その重要性を身近なところで感じた。(茨城・YO)


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