コラム

2016/02/03

生産性を上げる効果(埼玉・UT)

生産性を上げる効果


▼赤、青、黄などの色をしたプラスチック製のレゴブロック。かつて自身が熱中したり、子どもと遊んだりと、なじみのある方も多いのでは。組み立てながら、発想力や創造力も養える


▼順序立てて完成させていく様は、建設工事に共通する部分もある。業界では、生産性向上が大きな課題となっている。日本建設業連合会が作成した2015建設業ハンドブックには「90年代に製造業等の生産性がほぼ一貫して上昇したのとは対照的に、建設業の生産性は大幅に低下した」という記述がある。工事単価の下落などが要因としている。一般的に賃金が低くなれば働く人のモチベーションが下がり、関連して技能力や生産性も低下する可能性がある


▼国土交通省が建設現場の全過程を通じてICT(情報通信技術)を一層活用するアイ・コンストラクションという取り組みを打ち出した。技能労働者一人あたりの生産性を5割向上させる目標を掲げた


▼生産性向上策の一つとして、現地で型枠を組んでコンクリートを打設する現場打ちではなく、工場で製作したコンクリート部材を現場に搬送して組み立てるプレキャスト化が挙げられている。熟練の型枠工や鉄筋工が減っている中で、導入促進へ大きく舵を切る時期に来た


▼10年ほど前に同省の担当者から、全てではないと前置きした上で「例えるなら現場の世界を粘土からレゴブロックに変えていく」と聞いた。生産性を上げたうえで、イメージアップや労働環境改善にもつながるのではないだろうか。レゴブロック好きの子どもが、ものづくりの同じ感覚で建設業界に入ってくるようにしていきたい。(埼玉・UT)


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