コラム

2016/02/06

知的書評合戦で鍛錬(埼玉・SW)

知的書評合戦で鍛錬


▼お笑いコンビ・ピースの又吉直樹さんが執筆した 『火花』は第153回芥川龍之介賞を受賞し、売り上げが223万部を突破。芸人の作品という話題性が後押ししたとはいえ、本が売れない時代に大ベストセラーとなったことは興味深い


▼又吉さんは以前から読書好きで知られているが、好きが講じて10年に短編小説『夕暮れひとりぼっち』を書き下ろした。その後、初の中編作品となった『火花』が大ヒット。芸人としてではなく、作家としての活躍で第66回NHK紅白歌合戦でゲスト審査員を務めたほど。人生、いつ、どこで、どう転がるか分からない


▼本といえば、ビブリオバトルと呼ばれる知的書評合戦が全国各地で盛んに行われている。ビブリオバトルの手順は、発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まり、順番に1人5分間で本を紹介。発表後に参加者全員で発表に関するディスカッションをそれぞれの発表後に2~3分行う。全発表終了後に「どの本が一番読みたくなったか?」を基準に、投票を各参加者1票で、最多票を集めたものをチャンプ本とするもの


▼まずは良い本を探す努力が必要となり、加えて、限られた時間で魅力を伝えるプレゼンテーション能力、コミュニケーション能力なども求められる。いかに良いものでも、それが伝えられなければ票は集まらない


▼ビブリオバトルを経験することで、必然的にいずれの能力も高まっていくことだろう。今の時代は特に、さまざまなことが求められるようになっている。本に限らず、いかに相手に良さや思いが伝えられるか。常日ごろから鍛錬したい。(埼玉・SW)


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