コラム

2016/02/20

学生から選ばれる会社に(埼玉・SW)

学生から選ばれる会社に


▼埼玉県建設業協会が、ものつくり大学(埼玉県行田市)で意見交換会を行った。この大学は、ものづくりの実務現場で活躍できるようなスペシャリストを養成する特色ある校風。協会側は建設業界の現状や処遇改善の取り組みなど、大学側からは就職動向などが説明された


▼協会は、就業者の高齢化が進む中で若年者の入職が少ない現状や公共工事の労務単価引き上げに伴う給与増額に取り組んでいることを話した。また官民共同で、社会保険などの未加入対策を行うなど処遇改善を進めていることも説明した


▼2015年3月卒業生実績として建設学科の73人が民間企業への就職を希望し就職率100%に達した。だが、埼玉県内の建設業者への入社は8社9人にとどまった。魅力ある人材がそろってはいるものの、県外に流出している状況だ。16年3月卒業予定者については県内の建設業者から十数人が内定をもらっているという


▼意見交換会の時に、協会員のある社長が「今の人は昔の人と考え方が違ってきている。現場で仕事を説明して『分かった』と言っても実際はできない。『分かっていない』とは言いにくいようだ。雇用者も被雇用者も関係性がギクシャクしてきていると感じる。それが今の時代とも言える。相手の心を読んで神経を使っている」と話しをしていた


▼「ぜひとも学生にウチへ来て欲しい」という強い気持ちで、給与・待遇面はもとより、これまで以上に人間関係にウエートを置いている様子がうかがえた。人材の奪い合いともいえる昨今、学生から選ばれる会社になるような組織づくりが真剣に求められている。(埼玉・SW)


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