コラム

2016/02/24

キリンの道路工事(群馬・OS)

キリンの道路工事


▼キリンが幹線道路の脇で工事をしているのを先日見かけた。せっせと土を運び道路をならす。その姿はどこかほほ笑ましく、それを眺める通行人の目も、心なしか優しくなっているように感じた


▼無論、本物のキリンではない。アームをキリンの首に見立て、キリン柄を装飾したショベルカーだ。ボディーが黄色ということもあり、とてもよく似ている。土を掘るのも運ぶのも、キリンが一生懸命、汗を流し作業しているようで、おかしくもあり、親しみも湧いた。安全を守るため普段は厳しいイメージがある土木の現場。その1頭? がいることで和やかなものに変わって見えた


▼当然、信号待ちのドライバーの目にもとまる。対向車線に止まっていた車には子どもが乗っており、そのショベルカーを指差し、笑顔で母親らしき女性と話していた。道路工事は珍しくはない。キリンでもいなければ、さして目を向けることも、それについて考えることも余りないだろう。それだけに大きな取り組みだと感じた


▼一方で残念な現場もある。別の幹線道路だが、道路のど真ん中でくわえタバコをしながらショベルカーを操作していた。時折タバコの煙が目に入るのか、顔をしかめながら作業を続ける。その顔は道行く人をにらみ付けているようにも見えた。おせじにもイメージが良いとは言えない


▼入職者不足に悩む建設業界。給料や休日、社会保険など待遇改善もしつつ、イメージアップに取り組んでいる。社会インフラを守る建設業は準公務員的な側面もある重要な産業。本来あるべき評価に近づくよう、それに携わる全ての人が意識して行動してほしい。(群馬・OS)


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