コラム

2016/03/31

公共事業に広く理解を(新潟・HT)

公共事業に広く理解を


▼新潟県測量設計業協会は昨年、業界への理解向上やイメージアップを図るため「ふるさとを守り、未来を創る~測量士の仕事と役割~」と題して、測量の特別番組を制作・放映した。番組では、業界で働く人々を取り上げ一般には馴染みが薄い測量の仕事内容や重要性を紹介した


▼同協会のテレビ番組に限らず、最近、女性や若者の活用、現場見学会の開催、テレビCMなど業界のイメージアップにつなげる取り組みを目や耳にする。一方で公共事業のイメージについて新潟県公共事業評価で委員を務める大学教授は「物事が計画通りに進まないことがイメージダウンにつながっているのではないか」と分析した


▼ことしは暖冬と思われたが、1月には新潟県中越地域で除雪が追いつかないほどの豪雪に見舞われた。しかし、突発的な豪雪を除けば少雪であることは間違いない。ゲリラ豪雪が招いた大渋滞では除雪に対する相当のクレームの電話が道路管理者にあったそうだ


▼設計変更や工期の延長などに発注者が即座に対応することは業界にとっては「良い話」で、むしろ当然のことである。しかし一般の人々から見れば当初金額からの増額、完成時期の延期は「悪い話」であり、すぐに「見通しが甘い」と厳しい意見が飛ぶ


▼主に自然を相手に長期間にわたる公共事業では大小あれど不測の事態がつきものであり、物事を計画通りに進めることは難しい。その公共事業の特性を広く理解してもらうまでは、まだ時間がかかるかもしれないが、測量設計業協会の特番で技術者たちが伝えた仕事の意味や重要性は、これからを期待させるものだった。(新潟・HT)


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