コラム

2016/03/04

わかりやすいデザイン(新潟・YY)

わかりやすいデザイン


▼「観光立国推進基本計画」の閣議決定から4年。日本政府観光局の発表によると、昨年の訪日外国人旅行者数は1974万人で、前年比47・1%の大幅増となった。訪日外国人が商品を大量購入する「爆買い」が昨年度の流行語大賞に選ばれたことも記憶に新しい


▼2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた国内整備も滞りなくとはいい難いが進んでいる。観光地を中心に道路案内標識のローマ字表記から英語表記への変更も行われた。いったん白紙となった新国立競技場の設計・施工案も隈研吾氏などが提案した「木と緑のスタジアム」に決定。新エンブレムの選定作業も大詰めだ


▼国土地理院が外国人へのアンケート調査結果を基に、外国人旅行者に必要と思われる18種類の施設について地図記号イメージをまとめた。この中で寺院を表す「卍」マークがナチスの鉤十字「ハーケンクロイツ」をイメージさせるとして、外国人向け地図記号では三重塔の使用が検討されている


▼由来を知らなければ本来と違う意味に誤解されかねない卍マークのほか、国内で使われているなど日本独自の地図記号には外国人に分かりにくいものが多い。例えば訪日した回数が浅い外国人が〒を見て郵便局をイメージすることは難しいらしい。その反面、神社の鳥居をモチーフとしたデザインはおおむね理解されているようだ


▼オリンピック・パラリンピック開催まであと4年。和のイメージを取り込んだ新国立競技場が今秋にも着工する。新しいエンブレムも、どのような国、地域、人種にも、おもてなしの心が伝わる日本らしいデザインを選んでもらいたい。(新潟・YY)


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