コラム

2016/03/05

将来の手掛かりに(群馬・YA)

将来の手掛かりに


▼「今の時代はいい。この時代に学生をしたかった」。先日、群馬県建設業協会沼田支部主催による高校生向けの重機操作体験実習で講師を務めた地元沼建の土木部長・板倉利夫さんの言葉だ。会場が板倉さんの母校だったこともあり声の響きには熱がこもっている


▼群馬県では建設産業に若手を呼び込もうと県や建設系の産業界、土木系の学科がある高校が連携。2013年度から現場に即した実習が学年ごとに行われている。今回の実習体験もその一つ。まずは建設産業を身近に感じて興味を持ってもらうのが狙いだ


▼指導に当たるのは第一線で働く人がほとんど。指導者からは「遊びのつもりで参加しないでほしい」。体験会とはいえ一つ間違えれば大事故にもつながる重機操作、時に厳しい声も飛ぶ。体験後の生徒たちは重機を操作した高揚感と操作の難しさなどを肌で感じたせいか顔つきが大きく変わる


▼少しずつだが取り組みの成果は上がっている。実施校では建設産業を志す生徒が増加傾向にあるそうだ。将来有望な若者たちに会社をアピールできる絶好のチャンス。自分の会社に入社してほしいか問うと「自社でなくて構わない。建設産業に入ってもらえればいい」。熱心な指導をする理由がよく分かり、質問をできたことは良かった。文章やレンズを通してあらためて関係者の思いをきちんと伝える必要を感じた


▼進路の選択に関わらず第一線に立つ人たちと接せられるのは貴重だ。時にその後の人生に大きな影響を受けることもある。生徒たちには決して授業の一つと思わず、将来を切り開く手掛かりと捉え貴重な機会をフル活用してほしい。(群馬・YA)


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