コラム

2016/03/11

組織の立て直しに期待(茨城・HS)

組織の立て直しに期待


▼国際サッカー連盟(FIFA)の会長選が行われ、新会長に欧州サッカー連盟(UEFA)事務局長のジャンニ・インファンティーノ氏が選出された。南米サッカー連盟(CONMEBOL)の支持も受け、二度目の投票で過半数を獲得。任期は2019年まで。汚職まみれの組織をどう立て直すか、手腕が注目される


▼インファンティーノ氏は、5カ国語を操り、弁護士の資格を持つという。見た目はそり頭のこわもてだが、欧州の著名な監督からの信頼も厚く、改革の旗頭となるにはうってつけの人物だ。それに45歳と若い。前任のゼップ・ブラッター会長(79歳)からは大幅な若返りとなった


▼公約をみると、ワールドカップ杯開催国決定プロセスの見える化や複数国での開催、新興国へのサッカーの普及などあるが、中でも目を引くのは出場国の増加だ。現在の出場国数は32。これを40に増やす。出場国数が増えれば出場したことのない国には大きなモチベーションとなる


▼しかし、試合の質の低下も懸念される。特にグループリーグでは、今まで以上に、きめの細かさが見られない大味な試合が増えるかもしれない。最近で言うと、2002年大会のドイツ対サウジアラビア戦(8―0)は、サッカー好きには記憶に新しいところ。他にも日程や選手の負担も問題になってくる


▼いずれにせよ、FIFAは今後、新会長を中心に組織改革を進めることになる。一度こびり付いた汚職のイメージは、小手先だけの方策では決して拭えない。前任者に負けないくらいの強烈なリーダーシップを発揮し、健全な組織として生まれ変わることを期待する。(茨城・HS)


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