コラム

2016/03/23

立場変わって分かること(茨城・KN)

立場変わって分かること


▼車での通勤を始めてそろそろ3カ月になるが想像以上に運転に慣れる気配がない。職場の同僚から「慣れましたか」と尋ねられれば「まあ、ぼちぼち」と笑って答えるが、実際はぼちぼちどころか、いつ墓地に入ってもおかしくないとヒヤヒヤしている。毎日がスリルとサスペンスの連続だ


▼いろいろ発見もある。特に歩行者や自転車の挙動についてだ。見通しの悪い交差点や路地からの飛び出しにはドキッとするし、フラフラと走る自転車には気を配る。夜に暗い色の服を着ている歩行者に気付かず慌てたこともある


▼誤解のないように言うが歩行者のマナーが悪いというわけではない。ただ、歩行者にとって普通のことが案外運転する側には危険に映るということに気付いたのだ。私自身も車を運転していなかった時、危険な行為を危険と認識せず道を歩いていた。立場が変わったからこそ実感できた


▼運転に限らずその立場になってみないとなかなか分からないということは多々ある。建設業界で言えば受注者と発注者、元請と下請ではそれぞれの立場に異なる事情があり、互いの理解が足りず無用な誤解やトラブルを生むこともあるのではないか。とは言え、車と違い簡単にその立場になってみるというのは難しい


▼それぞれの立場が抱える事情や言い分を伝えるのに、われわれ新聞社の役割は重要だと思う。仕事に有用な情報を得て記事にしていくことも大切だが、それだけではなく立場の違う人たちをつなぐ架け橋となっていくことが今後も求められるのではないか。車も人のつながりも、互いの理解があれば無用なトラブルは防げるはずだ。(茨城・KN)


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