コラム

2016/03/25

火星の人から学ぶ(茨城・KS)

火星の人から学ぶ


▼アカデミー賞にもノミネートされたSF映画『オデッセイ』を見た。アメリカNASAの火星探査ミッション『アレス3』のクルー6人が、強烈な砂嵐に見舞われる。緊急脱出を図るものの、植物学者のマーク・ワトニーが置き去りに。想像を絶する火星での孤独なサバイバルが始まる


▼平均気温マイナス55度。酸素、水、食料、通信手段もない極限状態に陥るが、女性船長が残したディスコミュージックを聴きながら、植物学の知恵をフル活用してジャガイモを栽培し、ユーモア精神とポジティブ思考で迫りくる難題をとにかく明るく乗り越えていく。その様子がとても痛快で、どんどん引き込まれる


▼劇中では、アメリカと緊張関係にある中国の国家航天局が助け船を出す。秘密裏に開発していた最新鋭の太陽探査用ロケット『太陽神』を、ワトニーのいる火星への救援物資を届けるロケットとして供与。一人の宇宙飛行士を助けるため、人類の英知が政治思想を超えて平和的に利用される美しい展開だった


▼2月6日、台湾南部を巨大地震が襲った。東日本大震災で台湾から20億円を超える義援金を受けて公立病院を建設した宮城県南三陸町の仮設商店街が、恩返し募金を実施。そのほか仙台市や福島県相馬市などの被災自治体が、復興途中にもかかわらず台湾に手を差し伸べている


▼一方、北朝鮮は台湾南部地震翌日の7日、人工衛星ロケットを打ち上げた。事実上の弾道ミサイルと言われるロケット発射は、友好国を含め近隣諸国に衝撃を与えた。政治や思想を超えた連携で、世界に平和が訪れる日はいつになるのだろう。(茨城・KS)


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