コラム

2016/04/14

栄光をもう一度(茨城・KN)

栄光をもう一度


▼リオデジャネイロ五輪の開幕が間近 だ。各競技の代表決定の報道が毎日のように流れる。一方で出場が叶わなかった選手たちに思いを巡らす


▼2011年のサッカーワールドカップで優勝し世界一の栄冠に輝いたサッカー日本女子代表が、アジア予選で3位に終わり五輪出場を逃した。ロンドン五輪銀メダル、昨年のカナダワールドカップ準優勝と、世界でトップ争いを続けてきたチームの予選敗退に衝撃を受けた人も多いと思う


▼ただ、主要な国際大会で常に結果を出し続けはしたが、対戦相手を圧倒するような試合は少なく、むしろ苦しい展開を耐えて勝ちを拾う、という試合が多かった印象がある。粘り強い、地力のあるチームとも言えるが、一方で一つ歯車が狂えば瓦解してしまうような危うさも感じていた。20年以上代表の中心だった澤穂希さんの引退も一つの引き金になったのかもしれない。いずれにせよ、選手たちの気持ちを思うと胸が痛む


▼男子に比べまだメジャーとは言えない女子サッカーにとって、五輪出場を逃したダメージは相当に大きいと思う。ブーム終焉の声も耳にする。だが彼女たちが苦境に陥ったのはこれが初めてではない。1990年代後半にはバブル崩壊による不況の影響で多くのクラブチームが解散。00年のシドニー五輪出場も逃し、国内リーグ消滅の危機にも直面した。そんな中でも復活の道を模索したことが11年の栄光につながった


▼どれほど太陽が明るく輝こうとも時が経てば沈むように、栄光も永遠には続かない。しかし陽はまた昇る。彼女たちに再び輝かしい光が注ぐことを一人のファンとして願う。(茨城・KN)


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