コラム

2016/04/20

魅力ある土地であるため(茨城・KM)

魅力ある土地であるため


▼ブランド総合研究所による47都道府県別魅力度ランキングで、2013~15年の3年連続最下位となった茨城県。46位の12年以外はすべて最下位だ。もはや最下位が一つの魅力として定着している感じすらある。ランキングは「訪れてみたいか」という質問項目でみる観光意欲度が大きく影響するというが、栃木県35位、群馬県45位と北関東3県は全体的に苦戦している


▼そんな茨城県が経済産業省による15年通年における工場立地動向調査で、立地件数、立地面積および県外企業立地件数など全6項目で全国第1位を獲得した。製造業等(電気業を除く)は、13・14年に引き続きのトップとなり、調査開始以来、全国初の「3年連続3項目全国第1位」を達成した。栃木県は面積で、群馬県は件数でそれぞれ3位。魅力度と工場立地は相反するものなのだろうか


▼全国第1位の茨城県だが「電気業を含む」は立地件数、立地面積、県外企業立地件数のいずれも、前年比で60%以上減少した。立地面積は83・5%の減と、今回の調査から太陽光発電が対象外となった影響が数字に表れている


▼ここ数年、太陽光発電に伴うトラブルを耳にする。自然堤防を削った鬼怒川沿いへの設置や筑波山中腹への計画など、茨城県内でも何かと話題になった


▼太陽光発電の設置により周辺住民の安全が脅かされるのはもってのほかだが、景観への影響も大きな問題だ。太陽光パネルの並んだ土地を観光客が「訪れてみたい」と思うだろうか。自分の利益だけを考えず、設置後の景観を考えるほんの少しの想像力が欲しい。景観はその土地が育んできた魅力なのだから。(茨城・KM)


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