コラム

2016/04/23

遺跡発見による効果(茨城・SA)

遺跡発見による効果


▼茨城県内のとある自治体で、体育館建替え工事を取材したところ埋蔵文化財調査中だった。結果次第で計画の先送りもあるという。発掘された土器が珍しいものとなれば、地域の新しいスポットになる可能性も秘める


▼青森県青森市に三内丸山(さんないまるやま)遺跡がある。この遺跡があった場所には野球場を建設する計画があったそうだ。同遺跡はは今から約5500年前の縄文時代に栄えたとされる大集落。調査により大型の掘立柱が高くそびえる建物があったと思われる痕跡が発見された。これを受け県が計画していた野球場建設を中止して遺跡の保存を決定。その後、国の特別史跡に指定された。現在はこの遺跡を拠点にさまざまなイベントや縄文時代を体験できる学習施設に利用されており、観光地としての役割にも寄与している


▼遺跡の話題で海外に目を向けると、エジプトのツタンカーメン王の墓で調査を進めていたところ、隠し部屋が発見されたそうだ。空間とされる部分からは、生物とみられる有機物や金属反応が出ているという。これまで謎とされていたことが新しく解明される可能性もある


▼遺跡が発見されて保存となった場合は、その場所で進める予定だった事業計画の中断や中止は避けられない。しかし、考え方を変えれば、地域が誇る象徴的な場所にもなりうる。遠い昔にどんな人が生活し、どんな営みをしていたかを知ることは大きな財産になる


▼前述した取材中の案件で、今後大発見につながる痕跡や土器の出土は果たしてあるだろうか。発見されれば地域活性化にもつながる可能性もある。調査結果を待ちたいものだ。(茨城・SA)


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