コラム

2016/04/27

閉校で校歌も無くなる(山梨・TH)

閉校で校歌も無くなる


▼3月は学校施設の竣工式の取材が多かった。どこへ行っても新しくなった学校に入ると幼いころを思い出す。シンボルだった樹木、遊具、プールなどの思い出がよみがえる。竣工式は、学校長や工事発注者の自治体首長のあいさつ、施工者への感謝状贈呈、子どもたちからの感謝の言葉と続き、校歌で締めくくられる


▼閉校する小中学校が増えるのと同時に、校歌も失われる。山梨県によると、学校の統合が進み昨年度には4市町の12校が閉校。本年度も2校が予定する。その結果、本年度の市町村・組合立の小学校は10年前より32校減り174校に、中学校は17校減って80校になる


▼閉校によって問題になるのは、学校施設の管理や維持の方法だ。学校施設はRC造やS造が多く、解体するにも莫大な費用が掛かる。小さな自治体では予算の捻出が難しい。そして、学校が取り壊されても、校庭だけが残る。記念碑だけがポツンと残された姿を見ると切なくなる


▼一方で、残存する校舎を活用するケースが全国で増えた。社会教育施設や体育施設、体験交流施設、社会福祉法人施設が中心。子どもたちや卒業生にとって、学校が消えてしまうことは、寂しい。だが、施設が活用され新たな別の施設として生まれ変われれば、過疎化によって沈滞している雇用の問題も若干解消できる


▼県内でも多くの学校で閉校式典が行われ、学校長から設置者である自治体へ校旗が返還された。学校の歴史を心に刻みながら校歌を歌い、万歳三唱をzする姿に心を打たれた。学校が無くなれば、校歌は歌われなくなる。古い校歌を卒業することになるのか。(山梨・TH)


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