コラム

2016/05/11

焦点は完成後に(埼玉・UT)

焦点は完成後に


▼家や車など高額の買い物を考える時にはアフターフォローのことが気になるという人も多いのではないだろうか。視点を変えると、それらを取り扱う企業にとっても大切な点になる。購入後のサポートに関する満足度が高ければ、自然と次回もお願いしたいという気持ちを持ってもらえる


▼関東地方整備局は2015年3月に職員向け資料として広報戦略を策定した。その中で「社会資本の計画や整備段階だけでなく、管理・利用段階での広報の充実を図る」ことを強調している。冒頭から「事業完了後についても、社会資本の役割や意義について国民に十分に伝わるよう」にすることが重要だと説く


▼国土交通省は現在、社会資本のストック効果を知ってもらうことに力を入れている。ストック効果とは、整備後にインフラが機能を発揮することで中長期的に得られるメリットを指す。渋滞緩和や豪雨時の貯水などについて、分かりやすく伝えることが命題になっている


▼市町村を含めた公共工事発注者の共通ルールと位置付けられている改正品確法運用指針には「完成後一定期間を経過した後における施工状況の確認・評価」が盛り込まれている。一定期間とは何年なのか、また具体的に施工状況をどう評価するのかなど指針策定の過程で地方自治体から質問が多く寄せられた。具体的な考え方について、国交省は現在も検討を進めている


▼インフラ大更新時代を迎えた。公共工事も竣工後の完成検査をクリアしたら終わりというのではなく、アフターフォローの考え方が重要になってくる。完成後に焦点を当てる動きが確実に増えてきた。(埼玉・UT)


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