コラム

2016/05/28

逆走車と茨城の交通事情(茨城・TI)

逆走車と茨城の交通事情


▼高速道路で逆走車に出くわした。4月 8日の朝、取材のため常磐自動車道上り線を走っているときのことだ。谷田部IC付近で、逆走車が追い越し車線を猛スピードで通り過ぎていった。中央車線を走っていた私は、最初何が起きたのか分からず、驚くよりもただ呆然としてしまった。先に進むと避けようとした他の車両の事故現場を目の当たりにして、ようやく逆走車とすれ違ったのだと実感し、ひやりとした


▼後で調べてところ逆走車を運転していた男性は、初めて派遣される勤務地に向かう途中で、誤って高速道路に侵入。気が動転し合流地点でUターン後、約19㎞も逆走したという。怪我(けが)人がいなかったのは、不幸中の幸いである


▼本年の茨城県における交通事故死者数は、4月21日時点で56人に達しており、全国ワースト。中でも高齢者の事故が目立つ。年齢を重ねるごとに判断力と瞬発力などが低下するのは仕方ないことだが、理由はそれだけではないはずだ


▼茨城県の道路延長は北海道に次いで全国2位。しかし、幅員5・5m以上の道路の比率については、全国最下位である。広い幹線道路に交通量が集中しており、そういった場所で事故が多くなっているのかもしれない


▼車社会にとって、交通事故は避けられない問題だ。一人一人が安全に気を配り、事故発生そのものを未然に防ぐことが大切。そして道路の整備や改良を少しでも進めれば、交通渋滞が緩和し、危険な事故も減少するはずだ。万が一危険な車と遭遇しても、空間的に回避する余裕が出てくる。事故の無い安全な社会のため、さらなる道路の整備が求められる。(茨城・TI)


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