コラム

2016/06/04

被災者が呼んだ救世主(茨城・KS)

被災者が呼んだ救世主


▼初夏の山上湖だった。釣り糸を垂らしていると、目の前でミサゴが急降下し、大魚を捕獲。あっという間の出来事だった。その迅速で勇壮たる姿は今も鮮明に記憶している


▼4月14日からの熊本地震。インフラの守り手、建設業団体が道路の応急復旧や物資輸送などに昼夜を問わず尽力していると聞く。また、建築士たちも家屋診断のために全国から集まっている。本当に頭が下がる思いだ。早期の復旧、復興を祈るばかり


▼そして自衛隊や米軍の活躍も忘れてはならない。特に米軍の最新鋭輸送機「オスプレイ(和名・ミサゴ)」が大活躍したが、これは沖縄県出身の女性によるところが大きい。その女性は14日、南阿蘇村の親戚のもとを介護のために訪れていたところ被災。18日に何とか沖縄へ帰ると、すぐさま近くの在日米軍の保養所に「水やテント、寝袋が必要」と窮状を訴え、助けを求めたという。同時期に安倍首相は救援を要請。オスプレイはその日のうちに避難所に降り立った。道路が寸断され、十分な物資が行きわたっていない中、この素早い空からの助けはどんなにありがたいことか


▼オスプレイは、従来の輸送機よりも積載量は1割程度劣るものの、スピードが約2倍で航続距離は約3倍。ヘリコプターのように垂直離着陸ができるため滑走路がいらない。早さが肝心な被災地への輸送には適格だと思う


▼しかし今回のオスプレイの支援について「避難者も不安に思うのでやめてほしい」「政治利用だ」と批判する政治家がいたり新聞もあった。重要なのはオスプレイかどうかではなく、いかに早く被災者を助けるか、のはずだ。(茨城・KS)


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