コラム

2016/06/08

居反りの宇良に期待(群馬・SS)

居反りの宇良に期待


▼強い関心を持ちながら、大相撲夏場所を観戦した。大関・稀勢の里に綱とりが懸かっていた。終盤まで横綱・白鵬とデッドヒートを展開。13日目の直接対決に敗れ、14日目にも土が付き、力尽きたように見えた。しかし、楽日に勝利し綱とりの夢をつないだ


▼そして、稀勢の里と共に注目したのが新十両の宇良だった。創部125年の関西学院大学相撲部から角界入りした初の力士。幼少のころから相撲と並行してレスリングにも取り組んだ。そうした経験からか「居反り」や「撞木(しゅもく)反り」といった、まず幕内ではお目にかかれない大技を得意とする。入門前から「マンガみたいな取り組み」とバラエティー番組に取り上げられるほどだった


▼173㎝、127㎏。力士としては決して恵まれた体格ではない。少し珍しい技を持つだけで、話題先行型の力士だと思っていた。ところが、初土俵以来負け越し知らず。順調に昇進し、関取となった夏場所でも10勝を挙げる大活躍を見せた


▼横綱朝青龍が引退して以来、大相撲は白鵬の独擅場が続いている。全盛期の強さは失われたとも言われるが、夏場所も稀勢の里を地に這わせ(はわせ)、ほかの2横綱も寄せ付けず、全勝優勝を飾った。「また白鵬か」。こう思い続けるファンも多いはず


▼幸い、稀勢の里の綱とりが名古屋場所につながった。相撲は国技ではあるが、日本人横綱がもう20年近く出ていない。新横綱誕生やほかの力士の奮起を期待したい。一方で白鵬にも第一人者として頂点に君臨し続けてほしい。そして、近い将来行われるであろう、白鵬-宇良の結びの一番を楽しみに待ちたい。(群馬・SS)


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