コラム

2016/06/14

温暖化がもたらすもの(新潟・YY)

温暖化がもたらすもの


▼先日、訪れた園芸店は少し前と雰囲気が一変し新緑にふさわしいさまざまな草木が並んでいた。ふと、ミカンやオリーブの苗木が目に留まった。この地は雪の降る新潟県。屋外のミカン栽培は可能なのかと店員に尋ねると、思いのほか平気らしく「新潟県は10年前からミカンの生産県」とのこと。恥ずかしながら知らなかった


▼ミカンの産地といえば和歌山、愛媛、静岡。冬でも日当たりの良い斜面に並んだミカン畑が思い浮かぶ。雪国の新潟でも佐渡島南部は対馬海流の影響で本土より気温が高く、温州ミカン生産の北限となっている


▼新潟県が新しい水稲品種『新之助』を2017年度から一般販売する。新潟の米ならコシヒカリが全国的に知られており、県内における品種別作付面積の70%を占めている。しかし栽培時期が集中することから気象災害による被害拡大などが懸念されている。『新之助』は晩生品種で、これらの課題や食のニーズの多様化に対応するため開発された


▼20年以上前、米の2大ブランドといえば、コシヒカリとササニシキだった。しかし最近はササニシキの名前をあまり聞かなくなった。1993年の冷害で大きなダメージを受け、栽培の難しさや栽培が容易な新品種の登場により作付面積が減ったことなどが理由


▼地球温暖化が進むことで、ミカン栽培適地の北上予測も出ている。温暖化の影響を受けるのは建設産業界も同じ。ゲリラ豪雨や台風の巨大化は、土木施設や建物に甚大な被害をもたらす。将来の気候変動を見据え、機能保持への取り組みや新技術開発など今からできることを着実に進める必要がある。(新潟・YY)


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