コラム

2016/06/17

女性活躍への環境づくり(埼玉・SW)

女性活躍への環境づくり


▼日本中央競馬会(JR A)で3月、藤田菜七子騎手がデビューした。JRAでは2013年に増沢由貴子(旧姓・牧原)騎手が引退して以来、3年ぶりの女性騎手復活となった


▼デビュー間もない土曜日の午前、千葉県の中山競馬場に出向いた。デビュー前の同じ時間帯より、明らかに来場者が多い。藤田騎手が場内に登場すると、多くのファンの視線を集め、数え切れないほどのカメラやスマートフォンからシャッターが切られた。紅一点ながら、競馬場には華やかな雰囲気が漂っている。厳しい世界だが経験を積み重ね、これからの飛躍が期待される


▼人手不足に苦慮する建設業界でも、女性の活躍は喫緊の課題。日本建設業連合会では19年を目標年として、女性技術者・技能者を20万人に増やす構想を描いている。業界でも、ただ手をこまねくだけでなく、けんせつ小町を増やし、支えていく体制を整えつつある


▼ある仮設トイレメーカーは女性専用の仮設シャワールームを開発。女性の開発チームが女性目線で作り、ドアには二重ロックを施すなど、安心設計に仕上げた。スポーツウエアなどを手掛ける会社では女性作業員向けのアンダーウエアを開発。テープ状の素材が、男性に比べて筋力の弱い女性の動きを補助するという


▼藤田騎手は注目を集める中、騎乗機会に恵まれていることもあり、着実に勝ち星を重ねている。過去の女性騎手はブームが一段落すると、騎乗機会確保に苦労していた。馬主や調教師など周りからの支援継続は欠かせない。建設業界も同様。女性が活躍し続けられる環境づくりが重要となる。(埼玉・SW)

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