コラム

2016/06/18

ブラックバスは観光資源(茨城・KS)

ブラックバスは観光資源


▼大型連休の最終日、NPO法人水辺基盤協会による霞ヶ浦の清掃活動に参加した。水辺の限られたエリアだったが214人が汗を流し、ごみの量は1トンを超えた。1996年にブラックバスの釣り人有志らによって始まったこの活動、今や国交省霞ヶ浦河川事務所や同霞ヶ浦導水工事事務所、沿岸市町村、漁業協同組合も支援する


▼回収されるごみの大半が釣りとは関係のない生活ごみで、中には化学薬品や注射器といった産業廃棄物も少なくない。2005年に施行された外来生物法によって、生態系を壊す悪者扱いされてきたブラックバスだが、人間の方がよほど大自然にダメージを与えている


▼ブラックバスは釣りの対象として、1925年に政府公認で北米から神奈川県の芦ノ湖に輸入された。ルアー(疑似餌)によるバス釣りは、ゲーム性とファッション性から、若年層を中心に多くの愛好家を生み、その市場は600億円ともいわれる


▼長野県の野尻湖や山梨県の河口湖、福島県の桧原湖ではブラックバスを観光資源としており、貸しボート店、宿泊施設など地域経済を潤している。漁協、釣り人、地元住民が共存する、近江商人の「三方よし」の精神だ。しかしその近江の琵琶湖は、世界記録のバス(22ポンド4オンス)が釣れたにも関わらず、駆除を進めているのがもったいない


▼外来種だからと巨額を投じて駆除するだけではなく、現状を見据えて利用していく方が賢い。それが和の国、日本の姿ではないのか。茨城県には過疎が進む県北地域に素晴らしいダム湖がある。地方創生にバス釣りを使わない手はないと思うのだが。(茨城・KS)


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