コラム

2016/07/05

求められる誠実さ(群馬・YT)

求められる誠実さ


▼舛添要一前都知事の政治資金流用問題が、辞職という形で終息を迎えた。政治資金だけでなく、高額な海外出張費や公用車使用に関する公私混同といった問題への回答が本人の口から語られることはなさそうだ。辞職の時点で前知事に、疑惑はあっても法を犯していたという明確な証拠があるわけではない。加えて第三者による調査で「不適切ではあるが違法ではない」とされた。批判の声がここまで大きくならなければ、依然として都政をけん引していたことだろう


▼市民の多くが不満を募らせる原因となったのは、ひとえにその不誠実な態度だ。本人ではなく自らが雇った弁護士による説明。「第三者の目で厳しく判断していただく」をはじめとした通り一遍の返答など理論的な話だけを優先し、その言葉を聞く人の感情まで考慮されていなかった


▼思い返せば、ことしは不倫や覚せい剤使用など反社会的行為で多くの謝罪があった。いまだ許されていない人、すでに無かったかのように振る舞う人と千差万別だ。説明の場での誠実さがこの違いとなった。近年の情報化により、ささいな行動や発言にも責任を取る姿勢が求められている


▼誠実さが求められるのは、政治や芸能の世界だけではない。最近よく耳にするようになった企業の社会的責任(CSR)。法令順守などの当然のことだけでなく、社会貢献、環境配慮などの誠実さが企業が持つべき責任として求められている


▼建設業においては、災害時の復旧や除雪などもCSR活動だ。これまでどんなに厳しい状況であろうと、人々の生活を守り続けてきたことを誇りに思ってほしい(群馬・YT)


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