コラム

2016/07/06

技術立国の輝きを再び(茨城・HS)

技術立国の輝きを再び


▼家庭向けの電力小売りが全面自由化され、3カ月が経過した。いろいろな業界から参入があり、セット割やポイントサービスなど、各社とも顧客の獲得に躍起になっている。価格もさることながら、最も重要なのは、安全で安定した電力の供給だろう。現代社会では、電気がなければ今の生活水準を保つことはできないのだから


▼太陽光、風力、水力、地熱など東日本大震災の後、さまざまな発電方法の研究が進んだ。特に太陽光発電は比較的容易ということもあり、たくさんの企業が参入した。遊休地や屋根、屋上が活用できるというメリットも大きい


▼アラブ首長国連邦のドバイでは今、世界最大のメガソーラー発電所のプロジェクトが進んでいる。その規模は5000メガワット。現時点での世界最大が392メガワット(アメリカ・カリフォルニア州)と言われていることから、実にその12倍以上の規模になる。反射鏡を利用する集光型の太陽熱発電で、太陽熱エネルギーを貯蔵して日没後でも最大12時間は発電を継続できるという


▼メガソーラーにより、2030年にはドバイの必要電力の4分の1がソーラー発電に切り替わる。コストも一般的なものの半分程度に抑えられるというから、まさに現実的な夢のエネルギーと言えるが、このプロジェクトは砂漠の強烈な日差しを利用するもの。日本での実現は難しいだろう


▼しかし日本には技術力がある。限られた条件の中で最大の効果を発揮できる技術を開発するのが日本人の十八番。最近は海外勢の活躍に押され気味だが、かつての技術立国の輝きが再び取り戻されると信じている。(茨城・HS)


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