コラム

2016/07/08

もう一つのサミット(山梨・TH)

もう一つのサミット


▼5月下旬に主要7カ国首脳会議(G7伊勢志摩サミット)が開催された。2日間にわたり「世界経済」や「政治外交」などのテーマについて話し合い、閉幕の際には安倍首相が採択した首脳宣言を行ったことは記憶に新しい


▼最大のテーマの一つ世界経済においては、金融緩和や財政出動と規制緩和などの構造改革に各国が協調して取り組むことで同意した。しかし、サミットの内容よりも、その後にアメリカのオバマ大統領が被爆地の広島を初めて訪問したことが何よりも話題になった


▼主要7カ国首脳会議ほど有名ではないが、同時期に「小さな村g7サミット2016」が山梨県の丹波山村で開かれたことを知っている人は少ない。小さな村の会議のため、「G7」から発想し、アルファベットの小文字を使い「g7」と名付けたという。全国を7地域に分け、島を除き、それぞれ人口が最少の7村の関係者が集まり、地域活性化策について話し合った


▼参加メンバーは、開催地の丹波山村◇北海道音威子府村◇福島県桧枝岐村◇和歌山県北山村◇岡山県新庄村◇高知県大川村◇熊本県五木村。採択した共同宣言文を6月17日に石破茂地方創生担当相に提出した。宣言内容は「100年先に向けて相互に知恵を補い合い、試練を乗り越える」。移住促進に取り組むことを盛り込んだ


▼小さな村のサミットは、主要7カ国首脳会議と規模など含めて全く違うものだが、出席した各村の関係者は真剣そのもの。精一杯、地域をアピールする姿に感動した。経済が安定し、豊かになるためには、全国各地の小さな自治体が元気になることが重要だろう。(山梨・TH)


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