コラム

2016/07/15

ゆとりある生活が大切(茨城・KN)

ゆとりある生活が大切


▼先日の取材中、中学時代の恩師S先生と久しぶりに再会した。S先生は所属していた部活動の顧問を務めていた。厳しい指導をされる方で、飲み込みが悪かったためよく叱られたものだ


▼異動してくれないかな~と毎日のように祈っていたが卒業まで異動せず、世の中祈るだけでは何も変わらないということを痛感した。そんな経緯はあるものの、今となってはなんのわだかまりもない。当時の厳しい指導にも懐かしさを覚えるのみだ。こう思えるのは、やはり愛情を持って指導をしていただいたからだろう


▼当時は早朝から夜遅くまで、土日も休みなく練習があった。部員も大変だったが、顧問の負担も相当なものであっただろう。部活動における過剰な負担が近年問題視され、専門家といわれる教員以外の人が顧問を務めるケースが増えてきた。しかし、まだ教員にサービス残業を強いるこの慣習が多くの教育現場に残っているのも事実だ


▼部活動自体に意義がないとは思わないが、生徒のため|という無言の圧力で望まない負担を教師に背負わせる現状には異を唱えたい。指導者がゆとりを持ち、人間らしい生活を送る方が生徒に良い影響を与えられるのではないか。生徒と教師が共に充実した生活を送るためにも改善を望みたい


▼教育界に限らず、建設業界でもワーク・ライフ・バランスの向上が求められている。命に関わる重要な仕事であるからこそ、発注平準化と4週8休制度の推進、設計変更の事務簡略化、適正な工期設定など積極的に進めてほしい。建設関連業界で働く人たちの生活にゆとりを持てる制度への取り組みに期待する。(茨城・KN)


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