コラム

2016/07/16

見識高めて投票を(茨城・KS)

見識高めて投票を


▼早いもので2016年も半分を経過した。著名人の相次ぐ不倫、プロ野球界スーパースターの覚せい剤事件、大手自動車会社の燃費不正など。ことしの上半期は多くの「不信」に溢れていたと思う


▼とりわけ看過できないのは、東京都前知事による政治資金の私的流用疑惑だ。知事の座は追われたものの、疑いは晴れることなく、闇に葬られたまま。家族旅行の宿泊代やマンガ本の購入について〝第三者の厳しい目〟として投入された弁護士は「適切ではないが、違法でもない」とまとめた。自ら雇った弁護士がどうして第三者と言えようか


▼育児休暇推進を訴えていた衆議院議員の辞職は不倫によるものだが、違法ではない。人間性を蝕む(むしばむ)危険ドラッグも、かつては合法ドラッグと呼ばれ法の網を抜けていた。また世界的企業や指導者の巨額の資産隠し「タックスヘイブン」(租税回避地)は、違法ではないとはいえ、言わば脱税のようなもの。法律さえ犯さなければ何をやってもよいというようなことは絶対にあってはならない


▼前知事騒動で、インターネット上に「税金を支払うのが嫌になった」との声が上がっていた。日本の中枢である東京のことだけに、全国への不信波及は免れない。ましてや18歳以上の未成年にも選挙権が与えられる矢先の出来事であり「どうせ誰に投票したって同じ」といった声がさらに聞こえてくる


▼そんな中、近隣国による領海・領空への侵入、外国人を狙った無差別テロ事件など国外への不信も募る。しかし嘆いてばかりではいけない。参議院選挙は終わったが、今後も見識高い一票が不信を払うはずだ。(茨城・KS)


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