コラム

2016/07/20

SNSと人と(さいたま・AO)

SNSと人と


▼人とのつながりについて考えさせられることがあった。小学校時代からの友人A氏は、SNS(Social Networking Service)に夢中だ。SNSは一般的にはツイッター、フェイスブック、インスタグラムなどに代表されるようなものなのだが、A氏はSNSそのものではなく、そこで知り合った人々との会話にはまっているようだ


▼1カ月前にA氏から携帯電話がかかってきた。なんでもSNSで知り合った女性から、相談を受けたのだという。内容は重いものだったが、相談というよりも愚痴に近いものだった。A氏は親身になって相手に答えているそうだ。その様子を聞いていると、奥さんへの接し方とは違うので驚かされた


▼スマートフォンを使っているのでA氏は、パソコンよりも入力に時間がかかり、その女性との会話には、相当の時間を費やしているようす。相談している間に、親密さも増しているようで、先日話しを聞いたときには、お互いの身の上などいろいろな話をしているのだと。その表情を見ると、恋人の話をする時とよく似ていた


▼会ったこともない人なのに、そんなに想えるのか。A氏に率直な感想を伝えると、本人も不思議な感覚だという。もちろん顔を会わせれば理解できるというわけではない。このような出会いも結びつきも、時代に合ったものなのか


▼ICT(Information and Communication Technology)の発達により、人々の生活、仕事も、やり方が変わってきている。そのうちに我々の取材も、相手の顔をみることなくweb上のやり取りだけで済ませる時代に突入するのかもしれないと、寂しく思う(さいたま・AO)


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