コラム

2016/07/23

富士山の雄姿を訪ねて(東京・KK)

富士山の雄姿を訪ねて


▼富士山がユネスコの世界文化遺産に登録されてから早いもので3年が経過した。6月22日には山梨県富士河口湖町に富士山世界遺産センターが開館し、早速多くの観光客でにぎわっている。来年10月には静岡県富士宮市でも同じ名前の同様施設が完成する見通しで、今後は両施設の連携による、さらなる観光振興が期待される


▼富士山は天気の良い日には都内からも雄姿を拝見することができるが、間近で眺めたことは一度しかない。「次は登山で」と心に決めながら、実現の見通しは立っていない。まずは近くの低い山からと考えて、登山靴の購入に出掛けたものの、「検討します」と言って店を出てから1年が過ぎてしまった


▼本物ではないが富士山を眺めたい場合は銭湯に行くのが手っ取り早い。今でも都内の多くの銭湯では壁に富士山の絵が描かれており、初めて見る富士山に出会うことが銭湯巡りの楽しみの一つでもある。定番はペンキ絵かタイルだが、照明を工夫して富士山を表現する銭湯も登場している


▼昔から銭湯といえば富士山の絵と思っていたが、実は富士山が描かれている銭湯は東京を中心とした周辺地域に限られている。また、銭湯の数が年々減少していることもあって、浴場の背景を描く銭湯ペンキ絵師は現在3人しかいないという。銭湯の定休日に、わずか一日で絵を仕上げる職人技は後世に残すべき技術であると思うのだが


▼訪日外国人旅行客の増加に伴い、最近は日本独自の文化である銭湯を巡り、湯に漬かりながら富士山を眺める外国人を目にする機会が増えた。これも世界遺産登録の効果なのだろうか。(東京・KK)


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