コラム

2016/07/28

空調設置の前にできること(埼玉・SW)

空調設置の前にできること


▼梅雨も間もなく明け、本格的な猛暑に突入するだろう。人手不足や工期などの制約はあると思うが、現場の方々には熱中症に注意していただき、こまめな水分補給や適度な休養などを取ってほしい。体を壊しては元も子もない


▼快適な教育環境を目指して、埼玉県内でも学校の普通教室へのエアコン設置が進んでいる。所沢市の藤本正人市長は、東日本大震災と原子力発電所の事故を経験したこと、財政状況を考慮し冷房設備は整備しない方針を打ち出し、設置について住民投票にまで発展。その後、方針を若干変更し、一部の学校で設置計画が進められている


▼学校へのエアコン設置に関して、ある自治体の技術系職員と話す機会があった。「設置は分からないでもないが、その前にできることがある」とした上で「所沢市長は一時頑張っていた」と評した。またゲリラ豪雨などの異常気象は「人が招いた人災だと思う」との認識を示した


▼春日部市の総合体育館(ウイング・ハット春日部)や草加市の新田西文化センターでは、年間を通じ温度が安定している地熱を利用して室温を調整するクールチューブを導入。省エネルギーにもつなげている。浦和競馬場ではスタンドが北向きに建設されている。「冬場は寒すぎる」という声はあるものの、馬場は日向(ひなた)、スタンド側は日陰になり、夏場の開催では比較的観戦しやすい環境となっている


▼エアコン設置は短期的な対策であり、将来的にはさらなる地球温暖化を招くことになる。一人一人が地球環境を考え、過ごしやすい工夫をすることが求められている。もしかしたら人間は試されているのかもしれない。(埼玉・SW)


厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら