コラム

2016/08/03

建設業の死傷者数増加(山梨・TH)

建設業の死傷者数増加


▼建設業労働災害防止協会山梨県支部の安全指導者研修会で、山梨労働局が2015年の県内建設業における死傷者数を公表した。土木工事業46人、建築工事業68人、木造家屋建築工事業17人、その他の建設業(設備工事など)25人。前年比で、土木工事業は5人減少した。しかしその他建設業では9人増加し、建設業全体は4年連続の増加


▼建設業全体の労働災害を事故別に見た場合、高所からの「墜落および転落」が最も多く、次いで「飛来落下」「はさまれ・巻き込まれ」「切れ・こすれ」の順。昨年は墜落による災害が前年より1割ほど増加したという


▼特に気になったのは、労働災害が「60代以上」で最も多いこと。土木工事業および木造家屋建築工事業では50歳以上が過半数を占めた。ことしに入り、6月末現在で建設業を含む死亡災害は6件。そのうち1件は、林道の路肩からダンプトラックごと斜面に転落した事故で、70代の人だった


▼リーマンショックなどで建設需要が低迷し建設業による死傷者数は減ると思われたが、アベノミクス特需により民間・公共工事が共に増えた。一時的にも公共工事が増えれば、建設業者は人員を募集する。しかし若者は建設業を敬遠しがち。従って年配者の採用が増えてしまう。異業種からの転職で、経験不足の人も多いのかもしれない。安全指導者研修会では、この10年間に障害木除去作業中の墜落転落事故が多発している現状が報告された


▼これから猛暑が続くことが予想される。高齢者をはじめ作業に携わる全員が、水分や休養を十分に取って安全な作業に励んでほしいと願う。(山梨・TH)


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