コラム

2016/08/24

ありがたいお手伝い(新潟・CY)

ありがたいお手伝い


▼ある小学校の児童が、授業で空港にスケッチに行った。みんなが飛行機を描くなか、一人だけ天井を所狭しと走る大きなダクトや入り組んだパイプの数々を描いた。普段目にすることのないそれらが格好良く見えたのだろう。ところが担任の先生はそれを良しとしなかった。描き直しを命じたそうだ


▼周りと違う着眼点を一言でも褒めたかどうか、詳細は分からない。これがきっかけで、図工の時間が嫌いになっていないといいのだが。尊重されなかった興味や自発的な行いが、その後に影響するのではないかと危惧する


▼わが子が通う保育園に、おそうじ交流会というものがある。保護者と年少以上の園児が力を合わせ日ごろ手の届かないところを掃除する。最後はカレーを作って食べる。子どもたちは数日前から張り切っている。何かと大変だろうに、園児の興味とやる気を引き出すテクニックに感心させられる


▼年長クラスは遊戯室の清掃を日課としており、雑巾がけが板についている。「どうしてたけのこ組が遊戯室を掃除するのか?」年長クラスの壁にこんなメモがあった。「いちばんちからもちだから。ゆうぎしつにゴミがあると、ころんだりしてあぶないから。そうじをうまくできるから…」。目的や意義を話し合ったのが目に浮かぶ


▼先日、長女もおそうじ交流会初参加を果たした。次の週末、早朝から廊下でごそごそやっている。雑巾がけをしているらしい。褒められて得意顔で帰ってきたから、その成果といえる。素晴らしいイベントだ。手に持っていたのが、おろしたてのフェイスタオル、という点を除けば。(新潟・CY)


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