コラム

2016/08/30

なぜという視点(群馬・YT)

なぜという視点


▼ことしの夏も終わりが近づいてきている。リオ五輪や高校野球甲子園大会などイベントが目白押しだったが、個人的に注目していたのは夏休み子ども科学電話相談だ。NHKのラジオ第一放送で、1984年から30年以上放送されている長寿番組である


▼その最大の魅力は、子どもたちから寄せられる難しい質問を、分かりやすくかみ砕いて説明する専門家の先生たちの四苦八苦している様子だ。理解してもらいたいという気持ちが前面に出ており、聞いているこちらが先生たちを応援してしまう場面も少なくない。小学生に満たない子どもからの質問もあり、湿度や地球の自転といった専門用語を使わずに理解させるのは至難の業だろう


▼番組を聞いていて感じるのは子どもたちの鋭い視点だ。大人には当たり前の事でも、子どもたちから見れば疑問にあふれている。ことしも「トカゲのしっぽは切れるのに同じ爬虫類のワニのしっぽはなぜ切れないの」や「空はどの高さから空なの」といった、ハッとしてしまう難しい質問が多く飛び交った。ちなみに、どこからが空なのかには厳密な定義はなく、目線の少し上からが空ではないかとの回答だった


▼振り返ってみると、当たり前や常識のうち自らが深く答えられる事柄がいくつあるだろうか


▼建設業では、これまでの慣習から脱却、週休二日制を確立できるような取り組みを国土交通省などが始めた。工期や日給月給による支払いなど、無視できない要素は多くあるが、なぜなのかと疑問に思わなければ、改善に向かうことも難しい。慣習に埋もれない、なぜという視点を忘れてはいけない。(群馬・YT)


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