コラム

2016/09/30

誇りを持てるスタジアムに(山梨・MK)

誇りを持てるスタジアムに


▼総合球技場の建設を構想している山梨県は、整備効果について過日開かれた検討委員会に説明した。魅力あるスタジアムの建設によって地域発展の可能性が拡がり「シビックプライド(個人が都市に抱く誇りや愛着)を育むことができる」としている


▼さらに県では、スポーツ庁が設置したスポーツ未来開拓会議が本年6月にまとめた中間報告を紹介。報告では「スタジアムやアリーナへの大規模投資によるスポーツを核とした街づくりは、人口減少が進む地域の活性化につながり、波及効果を大きく促進するインフラ投資となる」と指摘された


▼整備効果が期待できる反面、スタジアム建設などの大規模投資は財政負担が大きく、建設後の運営を含め厳しい見方もある。総合球技場の整備についてどう思うか県民に聞いてみると「全国に誇れる施設が県内にも欲しい」という声があった一方、「赤字になる」「いらない」と言う人もいた


▼大規模施設には賛否があって当然と思うが、球技場をめぐる議論を聞いていると、弊紙のインタビューで元参議院議員の脇雅史氏が指摘していたことを思い出した。「学校で事件があっても、学校を無くそうという人はいない。しかし、公共事業で不正があると、いらないと簡単に論理がすり替わる」。公共事業に対する悪いイメージはこうして出来上がってしまうと


▼だからこそ、地域の活性化につながり、見る人やそこに住む人に夢や希望を与える施設計画が望まれる。ある若者が言っていた。「県内にすごいスタジアムがあれば、山梨に誇りを持てる」。見逃してはいけない意見だと思う。(山梨・MK)


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