コラム

2016/09/02

「山の日」とは(山梨・TH)

「山の日」とは


▼ことしから8月11日が山の日として国民の祝日となった。富士山をはじめ甲斐駒ヶ岳、北岳など周囲を山々に囲まれた山梨県にも多くの登山ファンが訪れ、県内景気を若干だが刺激したようだ


▼山の日は山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する日。しかしながら、なぜ8月11日なのかハッキリしない。8月は旧盆があるので、もともと休みの企業も多く、影響が少ない。学校も夏休みなので社会的影響もあまりないからなのか。ちょうどこの時期は、夏山シーズン。登山に適しているのも理由の一つかもしれない


▼山の日を前に財団法人富士山をきれいにする会は「富士山美化前期クリーン作戦2016」を展開。山梨県内企業などから約1700人が参加した。クリーン作戦は1962年から富士山のごみゼロを目指す清掃活動。裾野の登山道や五、六合目、富士五湖周辺でも分散して行った。七合目では今夏に合わせて環境省がトイレを改修した。汚物を微生物で分解する仕組みを採用して、便器の数を男女計5基から10基に倍増させた


▼山の日の経済効果は、数千億円程度と試算された。旧盆に近い祝日のため、夏休み期間にも影響したと思われる。外食や旅行、健康志向の高まりで幅広い世代が登山を楽しむようになり、登山用品の販売促進にもつながったようだ


▼今後、その存在意義をいかに浸透させるかが課題の山の日。ただ単に、祝日が増えただけではいけない。休日の増加には賛否があるからだ。来年は「山の恩恵に感謝し、豊かな自然を次世代に残す」という、本来の意味をしっかり考えながら、ありがたく過ごしたい。(山梨・TH)


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