コラム

2016/09/09

担い手対策は官民一丸で(水戸・EM)

担い手対策は官民一丸で


▼内閣府が公表した2016年高齢社会白書によるとわが国の総人口は昨年10月1日現在で1億2711万人で、長期にわたる人口減少のただ中にある。推計では10年後の26年に1億2000万人を下回った後も減少を続け、48年に1億人を割り、60年には8674万人にまで落ち込む


▼また1950年には総人口の5%に満たなかった65歳以上の高齢者人口は3392万人となり、全体の26・7%に達した。35年には3人に1人が高齢者になると見込まれている。高齢者人口がピークを迎えるのは42年で、その数3878万人


▼出生数は減り続け、高齢者が増えていく。生産年齢人口の層が薄くなる中、産業間における人材確保競争は今後さらに激しさを増すだろう。建設産業の使命の尊さは言わずもがなだが、美辞麗句だけで窮状は打破できない。給与や休暇、雇用待遇の改善が求められている


▼茨城県建設業協会は本年度、担い手確保・育成の取り組みを一層強化するために「人材開発委員会」を設置。さらに厚生労働省から受託した雇用管理改善促進事業を推進するため「啓発実践推進委員会」も発足した。率先して打開への道筋を描くという決意がうかがえる。ちなみに同協会は、かねてから高校生や専門学校生を対象とした現場実習を積極的に実施しており、最近は普通科高校にまで間口を広げている


▼今般、茨城県が県発注工事においてインターンシップを実施した受注者に対し、成績評定で加点することを決めた。地道な活動を続けてきた協会と、行政の英断に敬意を表したい。官民一丸の取り組みは必ずや実を結ぶはずである。(水戸・EM)


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