コラム

2016/09/17

シン・ゴジラは良かった(東京・HM)

シン・ゴジラは良かった


▼素晴らしいものは色褪せ(いろあせ)ない。われわれはたまにそう思う瞬間に出会う。例えば歴史的建造物を訪れた時に、何十年も昔の小説を初めて読んだ時に、過去の名曲をあらためて聞いた時に。映画シン・ゴジラを見終わった時もそう思った


▼もちろん、この映画独自の良さも随所にみられる名作だが、やはりゴジラのキャラクターが光る。核という負の遺産に直面させられる人類というテーマも普遍的だ。もとがいいとアレンジもしやすく、作り手のイマジネーションを刺激するのだろう。シリーズ化されるゆえんだと思う


▼エヴァンゲリオンで有名な庵野秀明氏が総監督として手掛けただけあって、まず映像迫力が素晴らしかった。先の読めない展開にドキドキした。怪獣映画だがターゲットは子どもではなく、間違いなく大人だ。こういう日本のゴジラ映画をずっと待っていた。非常に満足できる作品だった


▼一つ気になったのは、自衛隊は大活躍だが、建設業にフォーカスが当てられるシーンが全くなかった点だ。どう考えても建設業界も一役買っているであろうと思えるシーンもあるのだが、一切出てこなかった。災害時の報道と重なる。どうしてこんなに目立たないのか、ちょっと寂しい


▼それでもエンドロールには大手コンサルタントの企業名が出てきたりする。撮影には協力しているのだ。これはいい。色褪せない映画に参加している。その会社で働いている人も鼻が高いだろうし、これから入社を考えている学生にも好印象だ。次のゴジラ映画では、建設業界が活躍しているシーンが少しでもあることを期待しつつ満足しよう。(東京・HM)


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