コラム

2016/09/21

こち亀40年にありがとう(茨城・HS)

こち亀40年にありがとう


▼40年間連載が続いた週刊少年ジャンプのこちら葛飾区亀有公園前派出所(こち亀)が大団円を迎えた。積み上げた巻数は全200巻。多くの人に愛され、アニメやゲーム、ドラマ、映画にもなるなど、まさに国民的な漫画だった。中には生まれる前から連載されていたという人もいるのではないだろうか


▼主人公の両さんは、交番勤務の武骨な中年のおじさんだ。お世辞にも格好良いとは言えず、誰からも好かれるというタイプでもない。行動は破天荒でいつも周りに迷惑を掛けてばかり。それでも情に厚く、困っている人は放っておけない優しさを持つ。基本はギャグ漫画だが、時折ノスタルジーを交えて描かれる人情話は涙を誘う


▼連載中、作者の秋本治氏は一度も休載することがなかった。少年誌の最長連載のギネス記録保持者でもある。ジャンプを手に取れば、そこには必ずこち亀があるという安心感。大人になっても購入し続ける人が多いのは、こち亀が動機の一つとなっていた面もあったに違いない


▼かく言う自分も幼いころに影響を受けた一人。作中のバイクに憧れて二輪免許を取得したし、警官はラクそうでいいな、と夢見たことも。今はただ「ありがとうございました」という気持ちでいっぱいだ


▼連載終了の理由は40年という区切りであって、秋本氏は新作に意欲を見せているようだ。氏はさまざまな分野に造詣が深く、時事ネタも取り込んで面白おかしく漫画へと昇華するアイデアマン。きっと次作でも読者の想像の上を行くものを描いてくれるだろう。まるで少年時代に戻ったかのように、今から新連載が楽しみで仕方ない。(茨城・HS)


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