コラム

2016/09/27

業界変える若きエンジン(東京・HM)

業界変える若きエンジン


▼日本酒ブームと言われている。ブームの特徴として売れるとなるとやたら売れる。雑誌やテレビで紹介され、人気に火が付くとすごい。蔵元から直に(じかに)仕入れるいわゆる特約店なら1升3000円程度のお酒が、インターネット上では倍以上の価格になることもざら。高嶺の花になる


▼こういうときに特約店は強い。それほど人気がなかったころから仕入れてくれているので、蔵元も大切にする。人気が出てから取り引きさせてほしいと言っても、当たり前だが難しい。そうすると酒販店としては、人気が出そうな蔵元と早くから付き合っておきたいと考える


▼最近知り合った酒販店は、蔵の後継者事情に目を配っているそうだ。特に、農業系の大学で醸造学を学んできた息子が帰ってきたなどというケースは大注目。2~3年後に必ず面白い酒を世に出すという


▼確かに最近話題になるお酒は若い蔵元や杜氏が作ったものが目立つ。みんながおいしいと思う酒よりも自分が飲みたい酒を造る。ファンは100人中1人でいいという意気込みが感じられる。その上、流行もしっかり押さえる。消費者からすれば面白くてキャッチーな酒、つまり買いたくなる酒が出てくるのだ


▼建設業界も若年者確保に奔走している。ただ、その目的は担い手確保、技能継承といわれる。もちろん大切なことだが、若い人を入れることで、新しい血、今までにない発想を取り入れるということも目的の一つとして明確に持つべきだ。生産性向上に代表されるように、建設業界は変わるべき時に来ている。変わるためのエンジンは間違いなく若い力だ。(東京・HM)


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