コラム

2016/10/07

新たな定住の理由(茨城・EM)

新たな定住の理由


▼「『日本はもう成長できない』『人口減少は避けられない』といった悲観的な意見はある。しかし、『地方』の豊かな個性を生かし、日本の中に眠る、ありとあらゆる可能性を開花させることで、まだまだ成長できる。日本の未来は、今、何を為すかに懸かっている」


▼2014年9月、第187回国会での安倍総理による所信表明演説の一節。東京一極集中を是正し、地方の人口減少に歯止めをかけ、国全体に活力を呼び起こすことを目的とした「地方創生」が産声を上げた瞬間である


▼地方創生の政策の一つに「地方移住の推進」がある。移住希望者の多くは、その先での就労の場の確保を最優先するであろうが、魅力ある住環境を創出することができれば、選択肢としての可能性は高まる


▼産学官が連携し、「芸術のまち」を目指す茨城県取手市。UR都市機構が提供する、いわゆる「公団の団地」の修繕工事に合わせ、芸術家が外壁にペイントや造形を施しアート作品化する取り組みが3年の月日を経て今夏に完成した。11棟合わせて15の壁面を彩るのは、団地や周辺に暮らす人々から集めた「この団地にまつわる個人的なエピソード」。アーティスト・上原耕生氏は「お気に入りの絵を自室に飾るように、窓枠の向こう側に広がる景色や壁面を、空間のキャンバスとして見立てることができれば」と思いを語る


▼「団地住民の『物語』がアートを生み、新たな『定住』の理由を創る」。全国初の取り組み”戸頭団地イン・マイ・ガーデンプロジェクト”は、住まいの風景を一新した。地方創生のアプローチは無限にある。(茨城・EM)


厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら