コラム

2016/10/19

就職先が建設業だったら(群馬・TF)

就職先が建設業だったら


▼2060 年、日本の総人口が8674万人になるという見通しが内閣府の16年版高齢社会白書で示された。65歳以上の高齢者が約40%を占め、2・5人に1人が高齢者。15歳以上65歳未満の生産年齢人口は51%となり、経済成長と社会保障制度などの問題が懸念される


▼安倍内閣はこれらの問題に対し「希望を生み出す強い経済」「夢をつむぐ子育て支援」「安心につながる社会保障」の新・三本の矢を通じて一億総活躍社会の実現を目指すとしている。しかし政策がどうであれ、国民一人一人が生活の価値観を見つめ直し、超高齢社会への転換を図らなければならないのではないか


▼ドイツでは富裕層への課税を強化し所得格差を軽減。スウェーデンでは年金制度の改革により持続可能な仕組みを構築する。この2カ国の60歳以上の人は収入よりも仕事の面白さや活力のために継続した就労を希望している。これに対し、日本やアメリカは収入を得たいという理由が突出している


▼高校生を対象にしたインターンシップの取材に行った。質問の多くは毎年「給料」や「休み」はどのくらいかといった内容だ。しかし、こうした質問をする学生を責めるのは筋違いだ。建設業は地図に残る仕事で、国土の安全や地域の発展に必要不可欠な役割を担う。「やりがい」を肌で感じてもらうことが重要なのではないか


▼公共事業減少は担い手確保の大きな障害となるが、後継という観点ではなく自分の子どもに建設業への就職を勧められるかを考える必要があるだろう。取材先で聞いた「いつまでもあると思うな建設業」という言葉に強く共感する。(群馬・TF)


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