コラム

2016/10/20

VRはどこまで広がるのか(茨城・KS)

VRはどこまで広がるのか


▼ことし2016年はVR元年といわれている。VRは「バーチャルリアリティー」の略称で仮想現実のこと。一般的には、ゴーグルと一体型のヘッドセットなどで人間の五感を刺激し、コンピュータで作られた仮想の空間をあたかも現実のように感じさせる技術である


▼幾多あるVRの中でも、とりわけ注目を集めているのが、10月13日に発売されたソニーのゲーム機「プレイステーションVR」だ。また映画では、建設会社に勤める主人公の記憶をめぐる冒険「トータル・リコール」や、ずばり仮想現実を舞台にした「マトリックス」、神経接続で分身に意識を転移させる「アバター」など、これまでたくさんの作品にVRが盛り込まれてきた


▼VRの活用はエンターテインメントの分野ばかりではない。医療の現場では手術のシミュレーションに利用されており、研修医の育成に大きく貢献しているという。またアメリカ軍やイギリス軍では、コストやリスクの高いパラシュート降下訓練に使われている


▼建設業界では、プラント建設を担う明電舎が、VRを使用した安全教育を行っている。疑似体験が難しい、高層ビルからの「墜落」、作業台からの「転落」、電線管切断時の火花による「やけど」などの事故を再現。恐怖を体感することで、二度と起こすまいという意識を高められる。事実、VRによる安全教育を5月に導入してから4カ月間、同社で事故は起きていないという


▼急速に広がるVR。ただ、生活の隅々まで浸透し、家に居ながらにして全てが完結するような世界になってしまうのは、何か寂しい気がする。(茨城・KS)


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