コラム

2016/10/21

万人が認める美しさを(山梨・HK)

万人が認める美しさを


▼数々のドラマを生んだリオデジャネイロオリンピックとパラリンピック。感動し、強く印象に残った場面は日本勢によるメダル獲得の瞬間のみならず、あらゆる競技のあらゆるシーンが多くの人の胸に刻み込まれていることだろう


▼柔道男子73㎏級で金メダルを獲得した大野将平選手。決勝で一本を決めた後でも、畳の上ではガッツポーズや笑顔さえも見せることはなかった。礼に始まり礼に終わる。対戦相手へ礼節を尽くす柔道家としての大野選手の行為に寄せられる賞賛の声は多い。試合後のインタビューでも「柔道の素晴らしさ、強さ、美しさを伝えることができた」と答え、金メダルは当然とのプレッシャーもあったと告白している


▼体操男子個人総合において2大会連続で頂点に立った内村航平選手も、自らの演技に美しさを求めている。審判員による採点競技の優劣は、素人目には分かりにくいことこの上ない。数ある技への配点、ミスでの減点などは論をまたないが、一方で直線的に伸びる脚や滑らかな動き、軸のぶれない回転など見る側をうならせる華麗で無駄のない動きは、世界中の人々が認めるところであろう


▼何かと物議を醸し出す採点競技であるが、万人に有無を言わせぬ高みを目指すのが大野選手であり、内村選手であると考える。4年に一度の祭典を終えても、その主役たちには熱い視線が投げかけられ、スポーツの熱気は衰えることを知らない


▼ときに国政は臨時国会に突入した。「美しい国、日本」を掲げている安倍首相。古今東西、老若男女、都会も田舎も全ての国民が納得し、感動する政策を進めてもらいたい。(山梨・HK)


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