コラム

2016/10/26

心にゆとりと思いやりを(茨城・KM)

心にゆとりと思いやりを


▼チカッチカッと対向車がヘッドライトで合図を送ってきた。「チカッチカッってされたよ」。不思議そうに尋ねてくる息子に「この先で警察が取り締まりをしていることを教えてくれたんだよ」と説明するついでに、どちらが先に警察官を発見できるか競争しようと持ちかけた


▼電柱の陰に身を隠していた警察官を発見し、うれしそうに指差す息子を制しながら、さらにその先に潜むパトカーの横を通り過ぎる。対象となっていたであろう丁字路は慎重に一時停止した。シートベルトは着用している。息子はチャイルドシートに座っている。それなのになぜドキドキするのだろう。ルールは守っているはずなのに、自然と速くなる鼓動を不思議に思いつつ、心を落ち着かせる


▼車社会には、教習所では教えてくれない暗黙のルールや合図がある。ハザードランプは、渋滞の最後尾についた際の後続車への注意喚起として使用するだけでなく、道を譲ってもらった際のお礼としても使用する


▼パッシングライトは好意的なものばかりではない。後ろから猛スピードで迫ってきた車が「邪魔だ」と言わんばかりに合図をしてくる場合もあれば、こちらがヘッドライトをハイビームにしたまま走行し「まぶしいよ」と、怒りを込めて対向車が知らせてくる場合もある。パッシングでも相手の感情が伝わるから不思議だ


▼前述のハザードによるお礼も1回や2回だと「失礼だ」と怒るドライバーもいるという。ハンドルを握ると人格が変わるドライバーは自覚症状が薄いと聞く。ハンドルを握る際は、心にゆとりと思いやりを同乗させたいものだ。(茨城・KM)


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