コラム

2016/10/27

建設現場と人工知能(東京・KK)

建設現場と人工知能


▼人工知能が目覚ましい進化を遂げている。スマートフォンをはじめとして、エアコンやロボット掃除機など日常生活に密着した家電製品でも人工知能を搭載したものが広く普及しており、身近に接する機会が増えてきた。今後は建設現場においても人工知能を取り入れようとする動きが本格化する見通しだ


▼本年度から国土交通省を中心に始まったICT活用工事の現場ではICT建機が大活躍している。ただ事前に予測できない事態に臨機応変に対処することは現状では困難であり、今後の課題とされている。そこで建機メーカーでは次のステップとして人工知能が搭載されたICT建機の開発を進めている


▼現場監督や現場作業員の会話や日報などでのやりとりを人工知能が学習する。それによって正確な施工計画を作成しても発生する予測困難な事態に対応できるように、最適な対処方法を提供してくれるという


▼ベテラン現場監督の失敗も含めた全ての経験を取り入れる点も特徴の一つ。熟練の技を数値化することで、数値化されたデータを基に人工知能が学習する。蓄積された膨大な情報は次世代へと伝承されていく。やがてICT建機の操作を習う際の最適な先生が人工知能になるという時代は決して遠い未来の話ではない


▼とはいえ屋外で行う土木工事の現場はそれぞれ環境が異なる。人工知能が現場条件に応じて過去の熟練の技を選択する一方で、引き続き人間の手で新たな知見を積み重ねる作業が重要だ。無から有を生み出すことができないとされる人工知能にとって、現場で日々磨かれる熟練の技が今後も必要ということだろう。(東京・KK)


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