コラム

2016/11/05

安全・安心支える建設業(埼玉・SW)

安全・安心支える建設業


▼通勤時、電車が人身事故で止まり、路線バスによる振り替え輸送を利用することになった。本来、南浦和~浦和駅間は電車なら約3分だが、回り道していることもあり約40分要した。路線バスに乗車する機会はあまりなく「普段はどのくらい利用者がいるのだろうか」などと思いつつ、車内で立っていた


▼発車時にほぼ満員だった車内に、各停留所で通勤、通学、通院など普段利用している人が乗り込む。次第に乗り切れない人が出てきた。申し訳ない気持ちとともに、一定の利用者がいることに安堵した


▼公共交通は地域の足であり、なくなっては困るもの。採算が合わないなどバス路線の維持・確保は難題だが、なくなってから「バスがあれば」の思いを強くしても遅い。高齢化による運転免許証返納も増えておりバスの必要性が高まっている。「バスが走っていて良かった」と思えるよう、将来を見据えて普段からバスを利用するのも良い


▼とかく自衛隊や警察などと思われがちだが、災害復旧の最前線にいるのは建設業者だろう。なかなか日が当たらないが、建設業なくして地域の安全・安心は守りきれない。ことしも台風などの災害時には建設業が活躍した


▼東日本大震災や熊本地震からの復旧・復興、東京五輪などの需要増加はあるものの、その後の建設投資が尻すぼみとなることも予想されている。公共工事減少に伴い、建設業者はスリム化を図ってきたため、いざというときに人手不足に陥っていることが少なくない。建設業界維持のためにはコンスタントな仕事量が求められる。「建設業者がいてくれれば」と気付いてからでは遅い。(埼玉・SW)


厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら