コラム

2016/11/08

真田丸を見て再認識(茨城・KN)

真田丸を見て再認識


▼大河ドラマの「真田丸」が佳境を迎える。楽しみに見ている身としては、物語の展開に毎週胸をときめかせると同時に、終わりが近づいていることに一抹の寂しさも感じる


▼脚本を担当する三谷幸喜さんは元来、喜劇作家であることから、ユーモアのある掛け合いが特徴。旧来の大河ドラマファンからは一部で批判もあると聞くが、一方で最新の研究に基づいた時代考証は、われわれが知っていた常識が実際は誤りであると教えてくれることも多い。日本人なら誰もが知っている豊臣秀吉の正式な読みが「とよとみひでよし」でなく「とよとみのひでよし」であることを真田丸を通じて知った人も多いのではないか


▼9月25日放送の第38話では、主人公の父でありここまで物語をけん引してきた真田昌幸が死去。魅力あるキャラクターの退場は寂しいが、いよいよ主人公の信繁にスポットライトが当たるかと思うと今後が楽しみだ


▼昌幸の臨終の際に印象的だった台詞(せりふ)がある。息子の信繁に「軍勢を一つの塊と思うな。一人一人が生きておる。一人一人に想いがある」と語ったシーンだ。信繁の今後に大きく影響する台詞だと思うが、一視聴者でありながら非常に感銘を受けた言葉だった


▼公共工事が発注される際に大型事業が目を引く一方、あまり特徴のない少額の事業は注目されないことが多い。しかし小さな工事にも発注する側、受注する側、利用する住民、それぞれ一人一人の想いや事情が当然ある。「よくある工事」と考えず、背景を十分に調査し、紙面へ反映する重要さをあらためて認識した。なんだか昌幸に教えを受けた気分だ。(茨城・KN)


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